皆乗寺さんへ行く前後で、
今回初めて、益城町でも一番被害の大きかったエリアを歩いてみることにー
・・・車の窓から眺める光景と、
実際にそこに吹く風や温度、町の匂いを感じながら歩く景色は全く異なっていたー
いくら写真に納めても、リアルさが伝わらない、、。
写真という、フィルターを通して見る景色と、
実際に五感を通して感じる町の景色が全然違うのだ、、
ただただ、唖然、呆然ー
無人のお庭に猫が一匹たたずんでいた。
猫の目には、この光景がどんな風に映っているのだろう、、
1時間弱くらいだったが、日曜の昼間にも関わらず、
ボランティアの方とすれ違う、或いは作業している様子はほとんど見られなかったー
ところどころでお家の後片づけをしている人はいたけれど、
みな1〜2人、自分たちだけで行っている様子ー
・・・そもそも、町に人の気配がない。
町の人はみな郊外に避難しているため、町そのものが無人なのだ。
益城町福原の皆乗寺さんがある集落でも、
現在その地区に住んでいらっしゃるのは60世帯分の5〜6世帯という、、
・・・復興まで、遥か長い時間を要しそうだ。
神社はまるでアンコールワットの遺跡群のよう、、
この町の中心にあるS寺さんも訪れた。同じ浄土真宗本願寺派のお寺さん。
直接ご面識はないため、こちらへ伺う際、事前にお寺さんへお電話をさせていただいた。
現在別のところで仮住まいをされていらっしゃるとのこと。
日曜日という法務のお忙しい日でもあるので、直接お会いすることはご遠慮し、
失礼ながらお電話でのみ、ご挨拶だけさせていただきました。
一ヶ月前、お寺の前を通った際は本堂の屋根が完全に落ちていました、、
現在は、ご住職のお仲間、ご門徒さんやボランティアの方の手によって
本堂は解かれていました。・・・本当にさぞ苦しいご決断だったことでしょう、、
お寺で立ち尽くしていると、、
町の区長さんに声をかけられ、少し立ち話をさせていただいた。
区長さん、目に涙をためて、
『・・・もうねぇ、お先真っ暗を超えて、お先は奈落の底だよ。ハハハ…』
・・・未来に希望が見えるどころか、絶望を抱いておられるようだった。
そして、お寺のご門徒さんという、
散歩中のおばあちゃんに声をかけられ、お話しをさせていただいたー
心を落ち着ける場がなくなって本当に悲しい、と。
お寺は心の拠り所。それがないのは本当に辛い、、、と。
ホッとする場所があればねぇ、、お寺はそういう場所だから・・・
涙ながらに話をして下さった。
おばあちゃんは別れ際、
でも、こうして遠くから来てもらえることが嬉しい、、この現状を見て欲しい、とー
おばあちゃんのお宅には、昨日ようやく水道が通ったそうだ。
無理しない程度に、自分ができる範囲で、継続した活動ー
・・・むしろこれからが本当の支援だー
そう、あらためて強く感じた今回の益城町だった。