( つづき )
サムボー村へ着き、チョムナンさん宅で昼食をご馳走になった後しばしのお昼休憩。
その後、チョムナンさん宅にサムボー村の区長さんがやって来た。
サムボー村で展開中の井戸建設プロジェクト、その後の進行状況などを伺った。
現在このサムボー村には900世帯の人々が住んでいて、
これが「区」となると4000世帯。
この地区には、電気・水道は通っていない。
分布は、サムボー村に11基、隣村に2基、もうひとつ隣村に2基の全15基。
かつてフランスのNGOが作った村唯一の井戸が朽ち果て、
2012年から始めた『サムボー村井戸建設プロジェクト』。
この村に日本人が来たのは我々が初めてらしく、
その他になると、フランスNGO以外に8年前にキリスト教団体が援助の申し出に来られたそうだ。
しかしこちらの団体は、キリスト教に改宗すれば支援が得られるというもので、
村人は全員が敬虔な仏教徒。こちらの団体へはお断りを入れてそれ以後の支援はなく、
これまでに至ったそうだ。
そんなサムボー村に、法友チョムナンさんとのご縁から生まれたこのご縁。
・・・あれから4年が経ち、村のあちこちに井戸ができたことによって、
村の生活はずいぶんとラクになったそうだ。
理由は大きく分けて4つ、
① 子ども達の水汲み労働がなくなった事。
② 水汲み労働がなくなったことによって、子ども達が学校に行けるようになった事。
③ 子ども達が安全な水を飲めることで、病気にかかりにくくなった事。
そして新たに、
④ 『新たな現金収入を得る』ことが出来るようになったそうだ。
乾季の時期でも、乾ききった畑に水を送り込むことが出来るようになった。
シーズンオフの時期でも「現金収入」を得ることが出来るようになった。
・・・これによって村人は、さらに牛や鶏などの家畜を飼えるようになり、
その家畜の恩恵により、卵や牛乳・・・食料の確保、
そしてさらなる現金収入につながっている、、と。
水って本当に大切なものなんですね、、。
日本で「当たり前」のことが、どれだけ当たり前ではなく「有り難い」ことなのか、、
毎年ココへ来る度に様々なことを考えさせられ、学ばされます、、。
そして各お寺からの浄財を、サムボー村区長さんとチョムナンさんにお渡ししてきました。
チョムナンさん宅前と村の小学校内に設置した井戸だった。
まだ周りは整地されていない。
『2016』と刻まれている。この井戸の器具で$250(6月上旬当時で約26,500円)。
サムボー村は近くにメコン川が流れているため、比較的水は出やすいのだという。
しかし、これが水脈のない山村部になると、井戸が$1,000を越える場合もあるそうだ。
僕らの移動に合わせてついてくる子ども達ー
着いてすぐ、区長さんの顔色が曇る、、。
器具のパッキン部分を盗まれたのだという、、。
本当にひどいことをする連中がいるものだ。
僕らに気づくなり教室からズラズラと出てきて、気づけば井戸の前で全員集合(笑)
託かってきた浄財を、この学校に渡してきました。
『サヨウナラー!オークンチュラーン!(ありがとう)』
以前設置した井戸の器具を、畑の方へ、再度設置し直した井戸。
この井戸の水の出をチェックしていると、、
聞けば、隣に住むお兄さん家族が自費で設置した個人宅用井戸で、
彼と兄弟間のトラブルによって、井戸水を使わせてもらえないんだとか。
・・・そのため、ウチの前にも井戸を設置して欲しいと、、。
『あなたのようなケースで井戸を設置すれば、それは不公平になってしまう。
水のないエリアにまんべんなく井戸は設置しなければいけません。
アナタはまず、お兄さんと話し合う必要があります。
そして和解してお兄さん宅の井戸を使わせてもらうべきですよ。』と。
・・・さすが元僧王の秘書であり、内務省のお役人。
威厳を持ちつつも、決して高圧的でなく、彼を諭すような言い方は、
彼のお坊さん時代とちっとも変わっていなかった。
彼は、素直にチョムナンさんの意見を受け入れた。
何やら井戸の前に設置された白いプレート、、。
お寺関係でこの10年、カンボジアプロジェクトに携わっていただいた全ての方の名が刻まれている。
CNLのスタッフ全員の名が刻まれた井戸。
みなさんからお預かりした浄財は井戸の設置・維持費に変わり、
サムボー村の生活改善に大きく役立っていました。
この場をお借りして、ご報告をさせていただきます。
本当にありがとうございました!
そして朗報があります!
まだ予定ではありますが、、
この村に、遂に水道が届きます!
・・・いよいよ本当のゴールが見えてきた。