キャンドルナイトライブ

JSR CAMBODIA’16 ⑤ -サムボー村井戸建設プロジェクト-

( つづき )
サムボー村へ着き、チョムナンさん宅で昼食をご馳走になった後しばしのお昼休憩。
その後、チョムナンさん宅にサムボー村の区長さんがやって来た。
8K6A0541もう何度となくお会いしている区長さん。
サムボー村で展開中の井戸建設プロジェクト、その後の進行状況などを伺った。

現在このサムボー村には900世帯の人々が住んでいて、
これが「区」となると4000世帯。
この地区には、電気・水道は通っていない。
その中で井戸は現在15基が稼働。
分布は、サムボー村に11基、隣村に2基、もうひとつ隣村に2基の全15基。

かつてフランスのNGOが作った村唯一の井戸が朽ち果て、
2012年から始めた『サムボー村井戸建設プロジェクト』。

この村に日本人が来たのは我々が初めてらしく、
その他になると、フランスNGO以外に8年前にキリスト教団体が援助の申し出に来られたそうだ。
しかしこちらの団体は、キリスト教に改宗すれば支援が得られるというもので、
村人は全員が敬虔な仏教徒。こちらの団体へはお断りを入れてそれ以後の支援はなく、
これまでに至ったそうだ。

そんなサムボー村に、法友チョムナンさんとのご縁から生まれたこのご縁。
・・・あれから4年が経ち、村のあちこちに井戸ができたことによって、
村の生活はずいぶんとラクになったそうだ。

理由は大きく分けて4つ、

子ども達の水汲み労働がなくなった事。

② 水汲み労働がなくなったことによって、子ども達が学校に行けるようになった事。

③ 子ども達が安全な水を飲めることで、病気にかかりにくくなった事。

そして新たに、
④ 『新たな現金収入を得る』ことが出来るようになったそうだ。
この村では、これまで農作物は水が確保できる「雨季」の時期しか育てることができなかった−

しかし、畑にも井戸を設置し、さらには強力なポンプで水を汲み上げることで、
乾季の時期でも、乾ききった畑に水を送り込むことが出来るようになった。
それによって、乾季でも農作物を育てられるようになり、
シーズンオフの時期でも「現金収入」を得ることが出来るようになった。

・・・これによって村人は、さらに牛や鶏などの家畜を飼えるようになり、
その家畜の恩恵により、卵や牛乳・・・食料の確保、
そしてさらなる現金収入につながっている、、と。


すべては『』がもたらす恩恵・・・

水って本当に大切なものなんですね、、。
日本で「当たり前」のことが、どれだけ当たり前ではなく「有り難い」ことなのか、、
毎年ココへ来る度に様々なことを考えさせられ、学ばされます、、。

今年もCNL’15収益から50,000円、熊本・八代のK井家ご家族からお預かりした10,000円、
そして各お寺からの浄財を、サムボー村区長さんとチョムナンさんにお渡ししてきました。
これらのお金は、さらなる井戸建設費とメンテナンス等、維持費として使われます。

全員で実際に設置した井戸にその後の異常がないか、一部をみんなで見回ることに。

2012年に、はじめて設置したのはこの井戸。
チョムナンさん宅前と村の小学校内に設置した井戸だった。
続いて、今年設置されたばかりの井戸。
まだ周りは整地されていない。
続いて、こちらもまだ出来たばかりの井戸ー

ちゃんと水が出るか、近所のこどもに水を出してもらう。
・・・でたっ!!

【unicef】によって製造されたメイド・イン・ベトナム製の井戸。
『2016』と刻まれている。この井戸の器具で$250(6月上旬当時で約26,500円)。
今年はじめて聞いた話だが、井戸の器具相場はその村の地質によって変わるそうだ。
サムボー村は近くにメコン川が流れているため、比較的水は出やすいのだという。
なので現在の相場で$250程度。
しかし、これが水脈のない山村部になると、井戸が$1,000を越える場合もあるそうだ。

続いて、村の小学校へ移動する。
僕らの移動に合わせてついてくる子ども達ー
カンボジアの子ども達の、キラキラと輝く目が大好きだ。

小学校の校庭脇に設置されている井戸へー
着いてすぐ、区長さんの顔色が曇る、、。
小学校の先生に聞けば、この井戸は現在壊れているのだという、、。
小学校は連休で休校だった際、何者かによってこの井戸が壊され、
器具のパッキン部分を盗まれたのだという、、。
ちなみにゴムでできたパッキン部分は、市場で$10で売れるという、、。

子ども達が使う井戸、、子ども達の大切な水、、。
本当にひどいことをする連中がいるものだ。


・・・井戸をスタッフで取り囲んで見ていたら、校舎で勉強中の子ども達が、
僕らに気づくなり教室からズラズラと出てきて、気づけば井戸の前で全員集合(笑)
村の学校の先生に、JSRの仲間で今回一緒に行けなかった同志から
託かってきた浄財を、この学校に渡してきました。

来年はまたサッカーボールを持ってくるね!

子ども達に見送られながら、
『サヨウナラー!オークンチュラーン!(ありがとう)』

そして次の井戸へー
以前設置した井戸の器具を、畑の方へ、再度設置し直した井戸。
この井戸の水の出をチェックしていると、、
何やら村人がやって来て、チョムナンさんに何か言っている、、

聞けば、『私の住んでいるところにも井戸を設置して欲しい。』とのこと、、。

『とにかくウチを見に来て欲しい。』と、案内され歩くこと3分、彼の家に行く。

・・・実際に行ってみると、彼の家の前に井戸はあった。。。

聞けば、隣に住むお兄さん家族が自費で設置した個人宅用井戸で、
彼と兄弟間のトラブルによって、井戸水を使わせてもらえないんだとか。
・・・そのため、ウチの前にも井戸を設置して欲しいと、、。

・・・するとチョムナンさん、優しい言葉で、彼を諭すように、『それはできない。』と。

『あなたのようなケースで井戸を設置すれば、それは不公平になってしまう。
水のないエリアにまんべんなく井戸は設置しなければいけません。
アナタはまず、お兄さんと話し合う必要があります。
そして和解してお兄さん宅の井戸を使わせてもらうべきですよ。』と。

・・・さすが元僧王の秘書であり、内務省のお役人。
威厳を持ちつつも、決して高圧的でなく、彼を諭すような言い方は、
彼のお坊さん時代とちっとも変わっていなかった。

彼は、素直にチョムナンさんの意見を受け入れた。

彼の家をあとにし、歩いて行くこと5分、
何やら井戸の前に設置された白いプレート、、。
去年、我々JSRのカンボジアでの活動10周年を記念して設置された井戸だった。
お寺関係でこの10年、カンボジアプロジェクトに携わっていただいた全ての方の名が刻まれている。
井戸の前で全員で記念撮影。


そして最後はチョムナンさん宅そばにある井戸。
CNLのスタッフ全員の名が刻まれた井戸。
モーターで強力に水を汲み上げ、

水瓶はたちまち満杯にー

・・・これまでCNLを応援・支援して下さった多くの皆さん、
みなさんからお預かりした浄財は井戸の設置・維持費に変わり、
サムボー村の生活改善に大きく役立っていました。

この場をお借りして、ご報告をさせていただきます。
本当にありがとうございました!


そして朗報があります!

まだ予定ではありますが、、


二年後、

この村に、遂に水道が届きます!

・・・いよいよ本当のゴールが見えてきた。

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