キャンドルナイトライブ

CANDLE NIGHT LIVE’16 – Ann Sally –

むずかしいことをやさしく
やさしいことをふかく
ふかいことをおもしろく
おもしろいことをまじめに
まじめなことをゆかいに
そしてゆかいなことは、
あくまでゆかいにー

井上ひさし(作家)

2016年10月9日(日)pm7:20ー


baobabの繊細で軽快なライブを終えた後、25分間の休憩ー



休憩中、会場スタッフはAnn SallyサンLIVEの準備。


沢山の人でごった返す廊下。


LIVEを終えたばかりのbaobabのアルバムが飛ぶように売れていくー


飲食ブースを設置する会館も沢山の老若男女で大賑わい。



『ハイ、生一っ!』、『ハイ、赤ワインっ!!』と、
裏では大将を中心としたチームワークで、威勢の良いかけ声がこだまする


カンボジア料理屋『シェムリアップ』のカレーも大人気。

会館の後ろでは、【ヘアアップブース】も大忙し。


そして、pm7:30ー


いよいよ第二部のスタート

ピアニスト 小林創サンの優しく軽快なピアノにのせて、
Ann Sallyサンついに登場。


Special Acoustic Live: Ann Sally  – Start –


オープニングはAlbam【forrest】より、『あたらしい朝』からー
Ann Sallyサンの優しく、透き通るような美しい歌声が本堂に響き渡る。

Ann Sally(アン・サリー):
幼少時からピアノを習い音楽に親しむ。大学時代よりバンドで本格的に歌い始め、
卒業後も医師(脳神経外科医)として働きながらライブを重ねる。
2001年「Voyage」 でアルバムデビュー。2003年「Day Dream」「Moon Dance」では、
洋の東西を問わぬ新旧の名曲をオリジナルに昇華した歌唱が好評を博しロングセラーに。
2002年から3年間ニューオリンズに医学研究のため暮らし、
地元の音楽家と現地でプライベートに収録した音源を、
帰国後アルバム「Brand-New Orleans」として発表し話題を呼んだ。
帰国後は医師としての勤務の傍ら日本全国でライヴ活動を行い、
2児の母となった2007年には「こころうた」を発表。
同じく2007年、映画『おおかみこどもの雨と雪』主題歌、
2008年11月には、書き下ろしオリジナル曲「時間旅行」(マキシCD)を発表。

時代やジャンルの枠を超えた、柔らかくも情感あふれる歌唱と、
そのナチュラルなライフスタイルは幅広く支持されているー


小林 創 (piano):
ストライド奏法などを使った古いスタイルのジャズピアノからモダンなピアノまで、
どんな奏者ともサウンドする演奏に定評がある。
メジャーアーティストをはじめ、数多くのレコーディングやライブ等を行いつつ、
映画のサウンドトラックなどの作編曲なども手がけている。
近年ではベルリン国際映画祭で受賞した映画『めがね』のサウンドトラックにてピアノソロ、
アンサリー、MITCH、バンバンバザール、柴崎コウなどの録音等、
多数の録音に参加し好評を得ているー



BIC[ビック](パーカッション):
都内中心にサンバ・パゴージ・ショーロ等のセッションを続けつつ、
3度の渡伯でブラジルでも活動を展開。 ’06年『Hands of Creation』を結成。
現在まで2枚のアルバムをリリース。数多くのライブ、イベント、
夏フェス(FUJI ROCK/朝霧JAM/SUMMER SONICなど)等 に出演。
Ann Sally、畠山美由紀、Port of Notes、おおはた雄一、キマグレン、
Bophana、青柳拓次、沖仁など幅広いジャンルにおいて
独自のスタイルでのライブサポートやレコーディングでの活動を続ける。
2012年より、高知県四万十市に移住。2013年7月には自宅にてカフェをオープン。

・・・今年もそんな素晴らしい方々に、
9年目のCNLを華やかに飾っていただきましたー



曲間のMCではー
『みなさん、改めましてこんばんは、アン・サリーです。あのー、、
控室がすぐそこにあって、baobabさんの演奏も覗かせてもらって素敵な演奏でしたし、
控室にね、結構(飲食ブースの)声が聞こえてきて、
お酒の「おかわり!」「おかわり!!」の注文の声が多いなぁと思って(笑)、
「赤ワイン売り切れ!」とか、「白ワイン売り切れ!!」と、、
どんだけ飲んでるんだーと思って(場内・笑)。
私たちが歌う頃にはヘベレケかなと思ったらそうでもなくて良かったです(笑)』
場内一同、笑。
…2014年のbirdサンの冒頭と、同じことを仰っていました。(笑)

・・・そんな話題に上がっていることを知らない飲食ブース。
アン・サリーさんが仰ったように、アルコールは売り切れ。
そして飲食も、、すべて完売(!)
あれだけ沢山のフードを準備していたテーブルがスッカラカン。

…この日にむけて、数ヶ月前からどこよりも早く準備を立ち上げ、
入念な打ち合せを繰り返してきたBARチーム。
過去8年の失敗と経験、データに裏打ちされた無駄のでないラインナップで見事に完売。

飲食の売り上げは、過去最高収益を達成。
LIVEの最中、後片付けをしながらみんな大喜びをしている姿が印象的だった。

こちらに関しては、熊本募金と合わせ、飲食売り上げはすべて、
熊本・益城町福原の皆乗寺さんを中心とした復興支援費として寄付させていただくー

少し余談にはなるけれど、
今回CNLクッキーを提供してくれたPOCO A POCOのアキコサン。
アーティストのお二組にも、ささやかなプレゼントを準備。

…心のこもったクッキー。
いずれも大変喜んでもらえたそうですー

一方、会館のキッズスペースではー
子ども達のワークショップが始まっていた。

今年も、お寺のご門徒でありCNLのスタッフ、
英会話教師 木下繭サンによる『子ども達のための英会話ワークショップ』。

LIVE中、子ども達のために上映している映画にちなみ、
今年は『動物の鳴き声を英語で言ってみよう!』の企画。

皆それぞれに、自分にできるイベントへの関わり方として
自主的に企画し、それをみんなでサポートしています。

その頃本堂ではー
LIVEも中盤に差し掛かった頃、Ann Sallyさん、
『・・・次はこんな秋のお寺で、「赤とんぼ」を歌いたいと思いますー』


・・・静まりかえる本堂。聞こえてくるのは、
Ann Sallyサンの心に響いてくる歌声と、境内で遊ぶ子ども達の笑い声ー


・・・そして、映画『おおかみこどもの雨と雪』から主題歌『おかあさんの唄』。

家族で一緒に作品を観て、不覚にも子ども達の前で涙した心に残る映画、
その主題歌であるAnn Sallyサンの唄。

・・・子を想う親の気持ちが繊細に描かれている映画と歌詞の内容…
我が子の成長とダブらせて聴くと、、もう涙が止まらなくなってしまうのです。
とても余韻を残す作品、そしてアンサリーさんの歌ー

今年のCNLの出演オファーをさせていただ時から、
「この曲だけは是非聴かせてください!」とリクエストしていた。

この時ばかりは、境内で遊んでいた娘も、
会館で映画を観ていた息子とその友達たちも、
本堂へ一緒に入らせ、一番前でこの歌を聴かせました。

…個人的な思いとして、この歌を子ども達と一緒に聴けたことに感動。
おかげで今でも家族で車に乗るときは、Ann Sallyサンとこの曲です(笑)

今回CNLに来て下さった方の中にも、この唄に涙したという方が多数。
中には『嗚咽しそうになった』という方も…(苦笑)

・・・大袈裟でなく、それくらい素晴らしいものでした。

『おかあさんの唄』をすべて歌いあげたラスト、、
期せずして本堂内にいた赤ちゃんが泣き始めたー

優しいピアノの後奏にのせて、赤ちゃんの泣き声だけが堂内に響き渡る、、
…折り重なった偶然の演出に、鼻奥がジーンと痺れるのを感じた。





玄関先では、優しく聞こえてくるAnn Sallyサンの歌をBGMに、
お菓子の工房OPERAさんのご厚意で配られた焼きドーナツをほおばる子ども達。

・・・微笑ましい光景。

そして、pm8:45ー

Ann Sallyサン:
『本当に今日はありがとうございました。
このイベントに参加させていただいて本当に楽しかったです。
次の曲が最後になってしまいますが、皆さんの幸せを願いながら、
またどこかでお会いできることを夢見ながら、最後に『こころ』を歌いたいと思いますー


素晴らしいAnn SallyサンのLIVEが終了。

鳴り止まないアンコールの拍手に数分後ー

baobabと共に再び登場。

Ann Sallyサン:
『・・・それではですね、最後に今日はbaobabさんと、
せっかくなのでやらせていただきたいと思います(堂内・拍手)

baobabさんとご一緒にやるならば、、
スコットランドの民謡をやらせていただきたいと思いますー』

The Water is wide



この曲、このセッションの素晴らしさといったら・・・
とても先程2時間前にリハしただけとは思えない完成度、、、

・・・そして最後は、Albam【moon dance】から大好きな『蘇州夜曲』。

たおやかで味わい深い歌声、聴く者をゆったりとした時間へいざなう表現力、、。
baobabのおふたりのサポートによって、より音により厚みを増し、
彩りが加わり、高次元でハイクオリティなセッションを聴かせていただきましたー

鳴り止まない大きな拍手ー


過去9年間の歴史の中でも、
本当に記憶に残る、素晴らしいセッションを行っていただきましたー

そして最後は、阿弥陀さまの方へ振り向いてー

一同合掌、、


礼拝ー

合掌・礼拝後も鳴り止まない拍手。
素晴らしいLIVEをありがとうございました。

最後にキャンドルナイト実行委員長 あいさつー

毎年、今年こそは男泣きせず・・・というのが目標なのだけれど、、、
毎年快くご協賛くださる方々、そして沢山のスタッフに支えられて
みんなで準備してきた日々を振り返ると・・・ 何年やってもダメです、、。

なぜか涙が溢れてしまう。

今日のこの日を迎えられたことは、沢山の方の理解とお力添えあってのこと。
スタッフはもとより、毎回快くお寺へだしてくれるスタッフの家族、
たくさん励ましの言葉を頂いたご門徒さん、諸先輩方、友人、地域の方々、、
そんな色んな人たちの顔が浮かんでくると、どうしても言葉に詰まってしまう。

また、今年は特に熊本地震があり、CNLスタッフの中にも直接被害に遭ったメンバー、
あるいは実家や親戚のお家が熊本にあり、大変だったメンバーもたくさんいた。

そんな中で、このカンボジアでの活動を行ってきた経験を通し、
カンボジア同様、『自分たちに出来ることを、無理せず、継続して』行っていこうと、、

今年は熊本への支援活動からCNLは始動しました。

・・・そんな直接・間接的被害に遭った仲間も今日ここに集まり、
みんなでこの日を迎えることができたCANDLE NIGHT LIVE…

今年は今までとは少し違った、特別な感情の入ったCNLだっただけに、
無事にこの日を終えようとしていることが有り難く、嬉しく、、、

不覚にも涙が出てしまいました。

最後に、毎年の事ながら、これだけは言わせてもらいましたー

このイベントは、『カンボジア』のチャリティーではあるけれど、
これによって、『カンボジアの人々を幸せにしてやろう』とか、
『カンボジアの世の中を変えてやろう』といった、
…そんな大それた事は毛頭思っていません、、と。

これくらいの事を行ったくらいで、カンボジアの世の中は変わらない。
そんな事より、家庭や子育て、仕事など、今一番忙しい僕らの世代でも、
カンボジアのために『何か一つ』くらいの気持ちで、、。

・・・そう考えると、自分たちにできることは、
まずは「自分自身が」このイベントを楽しんで企画し、
「お客様自身が」純粋にイベントを楽しんだ結果、
その収益がカンボジアに還元されていく-

まさに、『楽しむことを前提に、それをいいことにつなげる』活動。

そして、このイベントは、西欧的な「奉仕の精神」、
「犠牲心」といった意味合いの強い『ボランティア』というよりは、
仏教のみ教えである『自他一如』の教えに基づいた活動です、と。

自分と他人は一つの如し。
私たちは人間としていのちをいただき、様々な、あらゆる関係性の中で、
お互いを支え合い、「生きている」のではなく「生かされている」のです。
その中で、日本人には「ボランティア」という言葉がいわれる前から、
この自他一如のみ教え、つまり「お裾分け」や「恩返し」、
そして「おかげさま」という言葉を、
私たちの人生の先輩方は、ごく自然と実践してこられた、、

つまり、これは『困ったときはお互い様

の活動』であるとー

これからも、
無理をしない程度に、自分ができる範囲で、継続した活動を続けていきたいー

終了後ー


竹は、今日の記念にお土産として、
来場者にお好きなだけ持って帰っていただいた。



ひとりのお客様から声を掛けられたー
『私も熊本から今日は来ました、』と。
熊本ことにも触れてもらい、本当に嬉しかった、自分も頑張ろうと思います、と。

・・・本当に嬉しく、有り難い言葉でした。

ごった返す廊下では、、

毎年お客さんとして来てくれている子ども達が、、
なんと・・・入口に置いていた震災募金箱とお菓子をもって、
『お願いしまーす!』と叫んでいた(涙)…

なんて嬉しい子ども達…


言ったことなど忘れられてしまう。
したことも忘れられてしまう。
でも、感じさせたことが忘れられることはないー
マヤ・アンジェロウ

…子ども達が大人スタッフの一生懸命な姿、
楽しみながら行う姿をみて、、何かを感じ、それが行動になってあらわれたのなら、、

…こんなに嬉しく有り難いことはありません。。。





今年度【CANDLE NIGHT LIVE 2016】、

総来場者数321名 + スタッフ45

経費を差し引いた収益は、 539,492円。

この内、今年の飲食ブースでの全売り上げと募金は、
熊本益城町 皆乗寺さんを中心とした町の復興支援費として全額寄付させていただきます。

よって、

カンボジア寄附金、367,914
熊本寄附金、171,578円、となりました。

本当に多くの浄財をお預かりしました。皆さま、本当にありがとうございました。
熊本への寄附金については後日改めてお知らせします。

この度のCANDLE NIGHT LIVEに際して、ご協賛ご賛同戴いた企業・団体・関係者の方々、
45名の頼もしいスタッフの仲間達、そしてお越し頂いた方々に篤く篤く、篤く、、御礼申し上げます。

皆さま本当にありがとうございました。

キャンドルナイト実行委員長
西林寺 副住職 安武 義修

Live Photos by TETSUYA NAKASHIMA / HANAKO NAGAI /
HEYNU MRIKHASONTHI / RYOSUKE UEMURA /

 

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