6月7日(水)am10:00ー
愛センターを後にした我々一行、次に向かった先は、
【INTER NATIONAL CAMBODIA NGO SCHOOL】へ。
三度目の移転
自分自身の『カンボジア』との最初の接点。
まさにカンボジアでの活動の原点であり、一番の支援先。
…しかしこの我々が支援するNGOスクール、
2015年6月に旧校舎から移転し、
同年7月、旧校舎そばに『新生カンボジアNGOスクール』を移転。
しかし学校の問題というより、建物オーナーの家庭の諸事情により、
わずか1年でこの物件から出ていかないといけなくなってしまった。。。
そんな紆余曲折を経て2016年6月、三度目の校舎移転。
現在の場所へ落ち着いたー
我々は今回移転してから初めての学校訪問。
新校舎の中へ
新しいカンボジアNGOスクール。
学校長TyDyサンが笑顔で迎えてくれ、新しい学校内を案内してもらう。
建物は、前回の移転先よりも清潔感があり天井も高い。
空間が以前と比べてはるかに広く感じる。
しかし学校家賃で比較すると、前回より今回の新校舎の方が家賃も安いとのこと。
長机に二人三人と、ギュウギュウで勉強していた当時。
天井はダンボールがはりめぐらされていた。
・・・あの当時と比べれとその快適さは歴然だ。
現在の学校の椅子+机のセットは、CNLやJSRの寄付のお金で買い揃えたそう。
校舎をすべて見てまわった後、Tydy校長とミーティング。
この学校の今の現状について伺った。
学校の厳しい現状 ー減って
TyDy校長によれば、
現在学校は三度の移転により、生徒数が大幅に激減してしまったとのこと。
2015年6月、初めの校舎から前回の校舎に移転した際、
全盛期に1,000人が在籍していた生徒数も200名となり、
そこから現在の場所へ移ってさらに50名にまで減ってしまったという、、
・・・確かに、
この三年間で三度も移転してしまっては、
故意ではなかったにせよ学生達の「信頼」を失ってしまうのは仕方ない、、。
学校は三度目の厳しい再出発。
これからどういった方向性で進んでいくべきか、、
財源はこれからどう確保していくかなど、…問題は山積みだ。
INTERNATIONAL CAMBODIA NGO SCHOOL の歴史ー
かつて【インターナショナル・カンボジア・NGOスクール】は、
『”生”の日本語を学べる学校』として、
プノンペン市内では老舗の日本語学校として一時代を築いた。
日本からも多くのボランティアがこの学校を訪れ、
プノンペンで最も安価で、日本人と直接触れることができる、
「生の日本語」に触れるのことができる学校として有名だった。
しかし2010年、カンボジアNGOスクールは、
日本のNGO団体からの支援を離れ、「独立」を果たすこととなった。
それは日本のNGOと現地学校の双方が共に目指してきた
本当の意味での『自立支援』が完遂。
その後は、TyDy校長のもと、カンボジア人自らの手による自立運営が始まった。
しかし「自立運営」が始まるということは、
当然日本のNGO団体からの金銭的支援もなくなるということ。
さらには日本のNGOから発信していた広報活動もなくなったことで、
日本人ボランティアの受け入れ態勢が整わず、ボランティアの数が激減。
さらには、近年プノンペンに授業の質・環境など条件の揃った日本語学校が増え、
「日本語を学ぶ」学校の選択肢が格段に増えた。
その中でNGO校の生徒はもとより、NGO校の優秀な先生達も、
より好条件の学校へ引き抜かれ、移籍・人材流出が相次いだ。
NGO校の生徒数はその後減少の一途を辿り、
さらには二度の校舎移転も重なって遂には50名にまで落ち込んでしまった。
・・・そんな現状の中でも、TyDy校長は孤軍奮闘。
『かつてのNGO校を取り戻したい!』と、
学校経費の半分以上はTyDyさんの私財でもって運営されている。
⚪︎産省の仕事と日本の会社の仕事を掛け持ちし、たまには軍にも出向する。
二度の校舎移転に際しては、TyDyサンの様々な横のつながりから
お金を寄付してもらったり、あるいは借金をしてようやくここまで辿り着いた。
支援の方向性 ー
そんな中で、我々は日本のNGOとは関係なく、
これまで通り、NGO校を最優先に応援させてもらってきた。
しかし、私達にとって一番の支援先であるNGO学校が、
そのような経営状況の中で、現在思うような成果が上げられていないという現実。
我々の支援費が学校全体の40%を支えているということを考えると、
もしここで我々が支援をストップさせれば学校は完全に機能停止に陥ってしまう。
かといって、たくさんの方からカンボジアへのお金をお預かりしている以上、
その浄財によってどのような効果が生まれているか・・・ご報告をする義務がある。
…そういったことからTyDy校長へ、今の経営方針の縮小や転換も含め、
「変化する時期に来ているのでは?」という事を今回問題提起した。
この学校の一番の問題は、全盛期と変わらない経営方針にあった。
生徒は主に18歳(学生)〜45歳(公務員)迄。
旧学校時代は、1授業につき受講料500リエル(約15円)を徴収。
授業費として1日$1に設定すると、それさえ払えない学生達がいたからだ。
その中で、
『学生達にはなるべく金銭的負担を掛けさせたくない』、
『学ぶ環境はなるべく快適にしてあげたい』
というTyDyさんの思いでこの学校があるのだが、
そのなかで、現実問題、資金確保がうまく行っていない。
質の高い先生は去り、生徒も減少している中で、
まさに一からの立て直しをしなければいけない。
・・・どう運営資金を確保し、どう学校を建て直していくのか、、
志は本当に素晴らしいことだが、
現在の体制では、あまりにも大風呂敷を広げすぎており、身の丈にあっていない。
・・・これ以上そのままの体制で運営していくのであれば、
我々の支援金分配率も変えざるをえない。
このままの変わらない(変えない)状況で学校を運営していくのであれば、
「今後は縮小した支援になるかもしれない」と。
そこまで今回TyDy校長と深く話し合った。
TyDy校長は、現在様々なパイプを通じて、
実績ある日本への人材派遣企業とタイアップ、ライセンスを取得したとのこと。
これによって、人材派遣企業からの学校バックアップを取り付けるとともに、
学校から優秀な日本語を話せる生徒が出てきた時には、
そのまま学校から日系企業への「就職」というラインも期待できるとのこと。
『今は50人になってしまいましたが、
来年必ず成果が出るように頑張ります。約束します!』と力強く語ったTyDyさん。
『・・・これまでこの学校から優秀な学生達がたくさん巣立っていった。
様々な場所で彼らは現在活躍しています。私はそんな学生達、そしてこの学校を
誇りに思っているし、この学校が永遠に続いて欲しいと思っています。
大事なことは、カンボジアにこの学校がずっと存続されているということですー』
・・・カンボジアへ行き始めて15年になった。
現在、活動の範囲も多岐にわたる中、
このたくさんのご縁を繋いでくださったのはTyDyさんのおかげ。
これからもこの学校を継続して応援させてもらいたいと思ってます。
そしてNGO校を復活させるためにはどうしたらいいか、
NGO校のかつてボランティアをしていたOBさん方、
かつてのNGOスタッフの方とも連絡を取り合いながら、
一緒に学校再生を考えていきたいと思います。
お知らせー
現在、かつてNGO校から巣立っていったOB達、カンボジアの友人たちにも声をかけ、
この学校を支えていきたいと思っています。
その中で改めて、カンボジアに興味がある日本の学生さん方、
この学校の「救世主」となってボランティア先生として日本語を教えて下さる方、、
(長期短期問わず)を募集しています。
学生のうちに、あるいは今だからこそ、経験できることがあると思います。
もし渡航を検討しておられる方がいましたら、よろしくご検討ください。
※ 学校内にボランティアが泊まれる部屋も完備しています。
※ ご訪問の折は、事前にカンボジアNGO学校へ直接ご一報下さい。
詳しいお問い合わせ・情報は、
【インターナショナル・カンボジア・NGOスクール】
[ ホームページ、現在調整中 ]
Mon-Fri (6:00am-7:30pm)
Sat- Sun (1:00am-5:00pm) Japanese Desk
日本人担当:ヌット ngointernationalschool@gmail.com にお願いいたします。
ありがとうございました
今年も有意義なJSRのカンボジア旅でした。
今度は8月、キャンドルナイトLIVEのスタッフと共に
昨年の収益を届けに行ってきます。
以上、JSR CAMBODIA’17のご報告でした。
ありがとうございました