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JSR’14 声明と雅楽/東欧の旅 ⑤ – ブダペスト公演 –

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『 声明と雅楽の宴 in ブダペスト・ハンガリー 』

2014年5月28日(火)、
スロバキア首都ブラチスラバから車で二時間半、ハンガリー・ブダペストへやって来た。

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昼食をいただき、ホテルにチェックインするや、
観光する間もなく衣に着替えてブダペスト会場【 Eötvös10 】へ。

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到着すると、国際交流基金のM宅さん、現地通訳のエステルが出迎えて下さった。
案内され会場へ入るとビックリで…

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前日のブラチスラバよりも一回り大きな会場 …(汗)

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今回は200席の公演会募集に対し「250名」もの申し込み。
そして当時は228名の方が来場予定とのことー

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今回はブダペストにある仏教大学の先生や生徒も、今日の講演会を楽しみにされているそうだ。

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・・・日常からクラシックに慣れ親しみ、音楽そのものに造形が深い
耳の肥えたハンガリー人が、純粋に日本の文化や音楽を体現しにやってくる、、

『日本に行きたくても経済的に行けない人々が、
雅楽に出遭う一生に一度あるかないかの縁で来られる方が沢山います。』

と、国際交流基金のM宅さん。

身が引き締まるー
今、自分たちにできることを一生懸命やりたい。

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さっそく全員で入退場や各自動きのチェックと、雅楽、声明の音合わせ。

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今回御導師は、鹿児島・鹿屋の藤園智信氏。

第一部リハーサルを入念に行い、
その後、これまた全員でハンガリー語の挨拶レッスン。

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慌ただしく準備を行っていると、あっという間に開演10分前。

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先程まで笑顔だったメンバーも、開演が近づくに連れ、ピンと張りつめた空気。
この独特な緊張感が心地良くもある。

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・・・東欧まで来て、このようなご縁をいただける幸せを噛み締めたいー

そしてpm6:00、ブダペスト公演は始まった、

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冒頭、国際交流基金担当のエステル、そしてキンガさんがハンガリー語でご挨拶。

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以下、撮影ご協力 ブダペスト国際交流基金日本文化センター

まずは第一部、『浄土真宗の法要儀式デモンストレーション』。

会場後方から「路楽」にて昨日と同じ楽人3名、結衆3名、最後尾に御導師という形で
入場テージ前では、鹿児島・大八木宗司サンの案により「散華」。

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 「散華」とは、寺院での落慶法要などの際、
蓮の華を模した「華葩(けは)」というものを空中に向かって撒くことをいう。

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日本から持参してきた「華葩(けは)」は、
つい先日、大八木さんご自身の「住職継職法要」の際に使用したもの。
仏さまへのお敬いの心を表現する。

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路楽からステージ上に上がった後、

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今回は、

① 三帰依文(前日の「頂礼文」から変更)
② 日没礼讃
③ 回向句
④ 退場楽という形で、およそ25分間の第一部。

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「三帰依文」は、我々がカンボジアへ行く際、

現地僧院で必ずお参りさせてもらっている、我々にとっては親しみ深いおつとめ。
我々の活動の「原点」でもあるので、ブダペストでは敢えて、冒頭この「三帰依文」をお勤めした。

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かつて勤式時代に先生方から言われていた「 お御堂の隅々にまで響き渡る声 」
を意識して、声高らかに第一部をおつとめさせていただきました。

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 第一部が無事に終了。
一旦中座し、黒衣・切袴・特別法務員五条に着替えた後、第二部「雅楽の演奏会」。

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まずはその前にハンガリー語でご挨拶。

『Jó estét kívánok! Üdvözlöm önöket a mai koncerten.
ヨー エシュテート キーヴァーノック!
ウドヴォズロム オノケッテ ア マイ コンツェルテェン。
(みなさんこんばんは!ようこそ私達の演奏会にお越しいただきました!)
私の名前は〇〇と申します。続いてこちらは・・・)』

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 全員がそれぞれハンガリー語で自己紹介。
会場から親しみのこもった温かい笑いと拍手を頂く。

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その後、雅楽の歴史、曲目の解説などは池田氏が説明。

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各楽器の紹介・説明を交えながら実演。

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音取〜越天楽〜陪臚という形で演奏し、後半約20分のプログラムを終えた。

・・・演奏後、鳴り止まない拍手、、。
しかし今回はアンコールは行わず、主催者側の意向で質疑応答の時間にー

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「ではご質問がある方?」との言葉を合図に、会場から沢山の手が挙がる。

「雅楽を西洋の五線譜に起こすことはできますか?」
「その楽器をピアノでセッションすることはできますか?」
「西洋音階と和音階はどう違うのですか?」
「笙はなぜ電熱器で温めているのですか?」
「その左手にかけているキラキラしたもの(お念珠)は何ですか?」

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・・・最初の質問が「雅楽を西洋の五線譜にー」という質問が、
なんとも音楽に耳の肥えたハンガリー人らしい質問、、。

中にはハンガリー語で訳するには難しい質問もあったが、
みんなでできる限り質問にお答させて頂いた。

質疑応答は20分が経過しても終わる気配がなかったため、会場の都合もあり改めて終わりのご挨拶。

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最後には、キンガさん妹が壇上に上がり、我々へ一輪の花を頂いた。
そして有り難い拍手が延々と…   この光景は一生忘れられないと思う。

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公演終了後、片付けのために再びステージに戻るとお客さん方がステージに集まっていた。

皆、講演中に撒いた華葩に「日本の漢字でサインを書いて欲しい」といわれ(汗)、
また、漢字やカタカナで書かれた笙や篳篥、龍笛のそれぞれ異なる譜面に興味津々。

そこからさらに質疑応答の延長戦。(笑)

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中には小学生の女の子もいて、後ろにいたお母さん、

『この子が、明日音楽学校に持って行って、
この笙の譜面を飾りたいから欲しいと言ってるんです。もらうことは出来ませんか?』と。

なんて光栄なことー

喜んで手渡すと、周りのお客さんも次々に手を伸ばし、
あっという間に、笙、篳篥、龍笛の譜面コピーがなくなった。
そしてその譜面に今度は『サインをして欲しい』と…(汗)

・・・その後、一同人生初めてのサインを延々と、、。(苦笑)
また、それと同時進行で楽器に対する質問など、さらに30分続いた。

 

後日、ブダペスト国際交流基金のM宅さんから
今回の文化講演会へ来られたお客さんへのアンケート結果を送って頂いたー

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あらかじめ担当のM宅サンには、

「好意的なご意見ももちろん嬉しいですが、
シビアなご意見こそ今後のためになるので是非頂きたいです。」とリクエストしていた。

そのドキドキ・アンケート結果は以下の通りで、、

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【文化講演会「雅楽と声明」in Budapest】

大変満足  76名
満足     13名
やや不満   0名
とても不満  0名

◆主な感想◆

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神妙な雰囲気の中で非常に心を温めてくれるような公演でした。
今までの音楽経験とは比べものにはならない、独特な演奏でした。
初めての雅楽公演で、非常に興味深かったです。
心に響く演奏でした。有意義なメッセージを発信する音楽です。
オリジナルかつ本格的な演奏技法を楽しませていただきました。
音楽を聴き、全く新鮮で聖なる世界に誘導されている感じがしました。
大変刺激的な公演でした。
この頃の煩雑な現代音楽界の風習の中、とても簡素で美しい音の響きでした。
日本の伝統的な音の響きに大変惹かれているので、とても楽しかったです。
音楽の世界についての知識を深めてくれるような公演でした。
日常生活から一旦脱出させてくれるような解放感のある演奏でした。
レベルの高い公演でした。
日本音楽の中でも中々触れる機会の少ない芸術です。
日本の根強い伝統音楽につながる公演でした。
雅楽公演に参加できる機会を逃さなくて良かったです。

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「マイナスの評価もぜひ伝えて欲しい、という安武さんのお言葉でしたが、
残念ながら(?)そのような意見は無かったようで、ご期待に添えず申し訳ございません。」

とM宅さん。

・・・何か、こちらが恐縮してしまうような、、有り難いお言葉の数々。

今回は東欧での、真宗僧侶としての文化交流デモンストレーション。
“ よそ行き ”の『 魅せるプログラム 』というよりは、
普段現場で行っている法要や雅楽のプログラムを、飾らず、普段通りに行うことを意識した。
その結果、普段の姿をそのような形で評価して頂けたのなら、
今後の励みになる、本当に有り難いお言葉の数々でした。

けれど、自分たちは一僧侶であって決して勘違いはしてはいけない。

でも、我々が普段勤めている浄土真宗の「声明」や「雅楽」は、
日本の伝統文化として充分、世界に発信することは可能なんだ
ということも改めてわかった。

今回の経験を、明日からの法務に活かしていきたい。

そして自分自身、活躍する仲間達を見てもっと頑張らねばと、改めて感じました。
本当に良い刺激と経験をさせてもらいました。

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公演会終了後、ホテルに戻りpm8:30 –

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関係スタッフの皆さんと共に、美しいブダペストの夕焼けを眺めながら打ち上げ会場へー

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お店は、キンガさん妹の友人でベルギー人 クリスティーナお勧めのワインバーへ。

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我々メンバー、キンガさん夫妻、国際交流基金のM宅さん、IB〇で働くキンガさんの妹、
同じく同僚のベルギー人クリスティーナ、ハンガリーのユ〇バーサル・ミュージック社長Kサン、
地元テレビ関係の仕事をしているアッティくんなど面白い面々が集まり、打ち上げ会。

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本当に忘れられない一日となりました。

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『人生において一番重要なことは、 実際の経験を通して学ぶこと 』 京セラ名誉会長 稲盛 和夫

『経験ほど大きな財産はない。』松井 秀喜

『自分で壁を乗り越えてきた経験が自信につながりますー』 孫 正義

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