今日は午後からの会議まで時間があったので、
朝、博多区の消防署へ『キャンドルナイト』の催物許可申請書を
提出し、その脚で博多駅ビルの映画館へ。
カンボジアに学校建設を目指す若者の奮闘を描いた作品、
『僕たちは世界を変えることができない』
http://www.boku-seka.com/ を観てきました。
とてもいい映画だった。
ノンフィクションというだけあって、
カンボジアのリアリティがよく伝わってきた映画でした。
特にプノンペンのトゥールスレン博物館(元強制収容所)や、
キリングフィールド(処刑所)、エイズ病棟の様子や実情が、
映画全体の20~30分(くらいに感じた)も割かれていて、
リアルなドキュメンタリータッチで描かれていました。
何度となく通った場所もたくさん出てきた。
今までカンボジアを題材にした映画は、
『キリングフィールド』や『地雷を踏んだらサヨウナラ』
などあるけど、 ここまで今のカンボジアの実情や諸問題を
物語の中で描いている作品はないと思う。
(ドキュメント系は除いて)
何かとても嬉しかった。
また、旅の仕方(スタディ・ツアー的旅)や、
志ある仲間で集まって、同じTシャツを着て、
カンボジアのイベントを開催し、現地にお金を持って行くー
学校は作らないまでも、
自分たちが行っている形として重なる部分も多く
(仲間割れなどはしませんが)
キャンドルナイトまであと一週間と迫った自分たちにとっては
ジャストタイミングな作品でした。
何より嬉しかったのが、
学校を建ててハッピーエンド、という形でなく、
実在の主人公は、『今も医師でありながら学校維持に尽力している』 という、最後の一文。
一時、芸能人の間で、あるいは番組の企画で、
「カンボジアに学校を作る」というニュースが話題になりました。
でも、これまでの経験の中でつくづく思うのは、
「学校を建てる」ことよりも大変なのは、
学校運営を「維持していく」こと。
映画の中でも、
『学校建設を始めたら、もう後戻りはできませんよ?』
という言葉が出てくる。
それは学校建設がゴールではなくて、
学校が開校されれば、先生のお給料、生徒たちへの教材、
制服、学校運営における光熱費等々、、
それらを継続して捻出して行かなければならない。
・・・その維持費をどう工面するか、、、
どこの学校も、一番頭を悩ませているのはそこだ。
学校を建てても、
やらなければならない問題は山のようにある。
でも、大半の番組企画の学校や芸能人が作る学校では、
出来るとすぐに現地の人たちへ委託 。
▶▶『あとはよろしく。』という形になる。
すると、当然学校維持にも建設費と同じくらい、
あるいはそれ以上にお金がかかり、
夢や希望を持って学校に通った子供たちも、
結局はまた元の状況に戻って行く
…そういう形が多いのが現実だ。
以前、
某番組企画で大体的にカンボジアに学校を建設したことがあった。
…でもその学校の今は、、、
現在運営はされておらず、
現地NGO関係者からはものすごい非難の声が出ていた。
学校建設以上に大変なことは、『学校運営を継続すること』。
自分たちグループが毎年みんなでお金を学校に届けたとしても、
一年間の学校運営費の4分の1くらいにしかならない。
校長先生はお金の工面で本当に頭を悩ませている。
よく『学校を建てたら?』と言われるが、
不可能ではないかもしれないが、
その後の難しさをよく知っているので、
建てることよりも、既存の学校を応援することが、
自分たちの無理のない支援になるのではと思っています。
”無理をしない程度に、自分たちができる範囲で、継続した活動ー”
自分たちのそれぞれの仕事や、
家族の基盤があってこそできることを、
僕らは僕らにできる形で行っていく。
それも自分自身たちが楽しみながら、学ぶ要素もあって、
そして楽しんだ結果、カンボジアの学校に還元されて行くー
そんな活動をこれからも継続して行っていきたい。
自分一人の力なんて微々たるもの。
でも志ある仲間が集まると、それはとても大きな力になる。
キャンドルナイトまであと一週間。
今はこのイベントが無事成功できるよう、
全精力を注ぎ込んで準備を進めたいと思います。
…それにしても本当に力が湧いてくる映画だった。