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JSR CAMBODIA’18 ⑤ – サムボー村のお寺で仏教交流 –

2018年2月21日(水)am9:30mー

サムボー村のお寺に到着した。
意外にもこの村のお寺の本堂に入るのはこれが初めてー

昨年8月、キャンドルナイトのスタッフと共に、
サムボー村の井戸完成記念式典に出席した際は、このお寺の敷地内にある集会所だった。

サムボー村へ行き始めて6年目にして、初めての本堂へ。

…中へ入って驚いた。

簡素な外観からは想像もつかないほど、素晴らしい荘厳な本堂だった。

本堂内は所狭しとお釈迦様のご一生が描かれていたー

中にはこのようなひとコマも。(汗)
頭のてっぺんから真っ二つ!
…何やらただ事じゃない感じ。

この僧院には小さなお坊さんを含む10名の僧侶がいらっしゃるそう。

チョムナンさん:『私も彼と同じくらい…14歳でお坊さんになったネ。懐かしいネー。』
と、笑顔のチョムナンさん。

小さなお坊さんを写真におさめようとした時、彼のお袈裟が少し乱れていた。
するとチョムナンさん、『これはこうやるんだよ』と優しく着装を整えてあげていた。
…その優しい眼差しは、出家僧時代と何も変わらない。

…そうこうしていると、どこからともなくたくさんの村人が集まって来た。
このお寺のお坊さんも。

気づけば本堂は満堂に。

今回ここへ来たのは、このサムボー村の本堂で、
浄土真宗の『声明と雅楽』でもってお参りさせてもらうこと。

それをチョムナンさんにお話ししたのは日本を発つ数日前だった。
当初は村長さんはじめ、数人の長老方と一緒にお参りできれば、、と思っていたが、

…蓋を開けてみると、
村の小学生200名が授業を中断し集まって来てくれた。
学校では「仏教」の授業が必須科目のカンボジア。
同じ仏教徒として、日本のお坊さんがつとめるこれからのお参りに皆興味津々だった。

声明と雅楽のおつとめ

am9:45ー

翌日の絆フェスティバルのオープニングを想定して、時間は15分。
内容も本番と同じで以下の形で。

① 敬礼文〜三帰依文〜念仏[付楽]
② 召請偈(ちょうしょうげ)[付楽]
③ 越天楽[雅楽演奏]

はじめはお釈迦さまへのごあいさつ【敬礼文】から、雅楽にのせて【三帰依文】。

ブッダーン サラナーン ガッチャーミ
ダンマーン サラナーン ガッチャーミ
サンガーン サラナーン ガッチャーミ

お参りを始めると、後方で子どもたちの小さな歓声があがる。

…それもそのはず、
『三帰依文』はカンボジア人の誰もが知ることば。

そしてカンボジアに限らず、
日本を含む世界共通の仏教徒の「合言葉」でもあるのですー

お釈迦さまご在世の当時から、
『三帰依』[仏・法・僧]という、三つの宝への帰依が誓われてきた。

南無帰依「仏」:( 私は仏さまを大切にします 
南無帰依「法」:( 私は仏さまの教え(法)を大切にします 
南無帰依「僧」:( 私は仏さまの教えに生きる仲間を大切にします 

これらを人生の依り処、仏の道を歩む第一歩として、
自ら声に出して誓うことばー

カンボジアの子どもたちは、
みんなこの三帰依文を毎日唱和しているのです。

そして自国の大切な「ことば」だと思っていた子ども達は、
日本のお坊さんも同様の「ことば」でもってお参りしていることに驚きを隠せない。

『僕たちと同じだー』
…そんな小さな歓声だったのです。

この『仏・法・僧』という三つの帰依の中で、
最後の「僧」とは、「お坊さん」というだけではなく『僧伽(サンガ)』。
つまり、『教えのもとに集まった全ての人々』ともいただきます。

…この三帰依文を唱和しながら、

この場にいる、サムボー村の子ども達と共に、仏さまの教えを大切にしますー

…そんな誓いのようにも味わわせていただき、みんなでお参りしました。

最後は、子ども達の方を振り返って雅楽の『越天楽』。

子ども達からは、雅楽や日本のお経を『初めて聞いた。』。
『日本のお坊さんが私たちの国の言葉でお経を読んでいた』など感想をいただいた。
雅楽に関しては、『少し悲しくなった。』という子ども達も。(笑)

それもそのはず、
カンボジアのお葬式では、雅楽のような音楽が流れるのです。
これは一昨年前、愛センターで雅楽演奏を行った時も同様の感想を子ども達が言っていた。

…それでも、サムボー村の子ども達は皆真剣な眼差しで、私たちの声明と雅楽に耳を傾けてくれました。

寺院のお世話役をされている村の長老方は、
この日のために本堂や境内を清掃されて私たちを迎えてくださった。

『日本の仏教スタイルを初めて聞いて感動しました。
今回は急だったこともあり、村人全員に今回の告知はできませんでした。
実際にはもっとたくさんの人たちがこの法要に来たいと思っているので、
またこのような機会を是非つくって欲しいです。』と長老方。

…井戸設置プロジェクトを通じ、
お互い根底の部分で「仏教」でつながりあい、
尊重しあって今の仏教交流につながっている、

これも継続してきたからこそのご縁だな、、と。
本当に有り難い、、有ることの難しいご縁です。

最後は、子ども達みんなで『敬礼文』の大合唱。
…心から感動し、ただただ有り難い、、そんな光景でした。

サムボー村の子ども達とみんなで記念撮影。

お寺のお世話人さん、長老方、学校の先生方と。
サムボー村の皆さんとは今後も深い仏教交流が続いて行きそうです。

当初考えていた以上に充実した、
サムボー村での仏教交流だったー